一般的な織物は、製品を作り終わった後に糸(織物)を染めますが、郡内織物(ふじやま織)では【先染め】という、事前に染めてある糸を織る手法を用います。この手法を用いることにって、非常に鮮やかで高級感あふれる柄を作り出すことが可能になります。そして、先染めされた糸を最大限に活かしてくれるものが、ジャカード織機と呼ばれる織機です。二つが組み合わさることで、何とも言えない独特の仕上がりになっています。さらに、糸にもこだわりは欠かせません。絹、キュプラ、ポリエステルをはじめとする長繊維の【細番手】を得意とし、繊細な生地が作れるというところも郡内織物の特徴です。また、糸を【高密度】に束ね、ふんだんに使用することよって郡内織物は作られていきます。ネクタイにおいては、10,000本(経糸と緯糸をあわせて)もの糸を用いて仕上げるため、とても高品質な商品となります。さらに、郡内織物の特徴として挙げられるのが【多品種生産】です。他の生産地と異なり、ネクタイ、裏地、婦人服地、スカーフ、傘地など様々な製品を製造しています。特定の商品に特化することなく製造を行っているのは、どのような商品にも対応できる確かな技術があり、どのような注文に対しても素早い対応が可能な生産体制が整っているからです。
郡内織物は、「先染め」「細番手」「高密度」「多品種生産」、この4つが大きな特徴となっています。
※ふじやま織とは、富士吉田地域で生産を行なっている郡内織物に対して使用される言葉です。